朝日の決意

機内にある雑誌をパラパラとめくっていると、カシャカシャと前の方が騒がしくなってきた。何だろうと初めは思っていたけど、臭いですぐに分かった。待ちに待った夕食だ!メニューは何だろうとワクワクしていたら、スチュワーデスが英語で何かみんなに聞いている。耳を凝らして聞いていると、どうやら”Chicken or Beef?”と言っているようだ。隣のアメリカ人がチキンと言ったので私もそうすることにする。お世辞にもおいしいとは言えない味だったけど、お腹を空かしていた私は殆ど食べてしまった。友達にノースウエストの食事はまずいと聞いていたので、それなりに覚悟して食べたのが良かったのか、それほどでもなかった様な気がする。ただ、デザートのケーキだけは甘すぎてとても食べられなかった。なんだか砂糖を食べているようなザラザラとした感触がとても耐えられなかったからだ。でも一つ嬉しかったのは、お茶が欲しくて、”お茶をください”と言ったら、すぐに通じたのだ。

それから数時間程だっただろうか、映画を見て(日本語の吹き替えがイヤホンで聴けた)ちょっと疲れたのでボーっとしていた。ふと窓のシェードをあげて外を見てみると、真っ暗な空の向こうに少しだけオレンジ色がかった景色が見えた。”夜明けだ!”と思った。初めは何となくオレンジっぽい光が見える程度だったけれど、少しづつその光が大きくなってくるのが分かった。

「...きれい...」

私は思わずそう呟いた。 

実際には時速何百キロメートルという速さで進んでいるのだろうけれど、ゴーというジェットエンジンの音が小さく聞こえる以外、機内は静かで、時の流れを感じさせない。だから、空の色がちょっとづつ、ゆっくりと変わっていくのを見ていると、当たり前だけど”あー、動いてるんだ”と思ったりした。私はその何とも言えない美しい景色をずっと見ていた。真っ黒だった雲たちがだんだんとオレンジ色に奥の方から染められ、空も赤っぽく、それでいて青みも増してくる、言葉では言い表すことの出来ない自然の美しさに心を打たれていた。

不思議なことに、その景色を見ているとだんだん勇気がわいてきた。

「私もあの太陽のように、ゆっくりでもいいから夢を叶えるために頑張ろう!」そう心に決めた。


さて、入国審査ではトラブルが付き物、どんなトラブルが起こるか?ご意見お待ちしています!!