昼下がりの社員食堂

12時半ちょっと過ぎに社員食堂に行くと雪枝はもう来ていた。私はジュースだけを急いで自動販売機から買って席に着いた。

「また遅刻ー!相変わらずアバウトな性格ね、美樹は」

「ごめんごめん。12時までに出さなきゃいけない資料作ってたから、ちょっと遅れちゃった」

私は舌をちょっと出しながら笑顔で言った。

「ところでさ、昨日はどうだった?ホテルウーマンは?お仕事貰えそうだった?」

雪枝は好奇心が口から出そうな勢いで聞いてきた。

「だから、何度も言っているじゃない!そんなんじゃないって。私はただ、どんな感じか聞きに言っただけだって」

「わかってるわよ!でも多少あわよくば...って思っていたでしょ?」

「そりゃね、正直言ってほんのちょっとぐらいは期待してたけどさ。でもそれどころじゃなかったわよ。仕事貰うどころか、逆に自信なくしちゃった」

「えっ?どういう事?」

私は八城弘子さんに言われたことを簡単に雪枝に説明してあげた。ただ、特に英会話や経験については自分の意見も含めて詳しく話した。

「うーん。そう言われてみればそうかもね」

「でしょー?私って、結局何にも自分を売り込む物がないのよ。2年も働いてだよ?一体何やってきたのかしら。そう考えたら、全然仕事やる気でなくて...。何とかならないかな?」

「そんなこと言ったら私だって同じよ」

「八城さんって、仕事充実しているんだろうな。お洒落で、落ち着いていて、何より女の私が見ても輝いていたもの。羨ましいな」

人間とは不思議なもので、仕事なりプライベートなり何かとても心が充実していると、自然と輝いて見えるものなのである。仕事の割合が一日の大半を占める社会人にとって、仕事の充実度はかなりそれに影響する。彼女はその典型的例であり、今の私はその悪い例でなのかもしれない。自分自身あまり輝いているとは思えない...。

「で、どうするの、美樹?」

「うーん、わからない。わからないけどこのままではいけないって気持ちが強くなってきたのは確か」

「ほらほら、いつもの美樹らしくないぞ。元気だして!!こっちまで暗くなるじゃない」

「ごめん、ごめん。あーもうこんな時間。急いでご飯食べなくっちゃ」

慌てて食券を買いに行ったら、なんと!私の大好物のカツカレーが売り切れていた!!しかもチーズピラフまで!!!一日の楽しみの一つがなくなってしまって大ショックだった。